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  薄毛の治療:男性編  
     
 

 男子が成長し成人になると、程度の差はあれ次第に頭髪が薄くなり、やがて禿上がってきます。これが男性型脱毛症(AGA)と呼ばれているものです。AGAは男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)が毛根の細胞に作用し、毛髪の伸長を抑制するのが原因です。

AGAの始まる年齢とその進行の速度には個人差があり、遺伝的に薄毛の家系で20歳前後でもうすでに生え際が怪しくなる人から、40歳も過ぎてシャワーで髪が濡れた後に地肌が透けて見え、最近ちょっと老けたかなと感じ始める人まで、発症のパターンは様々です。薄毛男性の複雑な心理は、薄毛でない男性や女性にはわかりにくい特別なものです。対人関係、とくに異性との関わりに自信を失ってしまうのは深刻な問題です。

薄毛の治療でまず大切なのは、病気が原因のものを鑑別することです。円形脱毛症、甲状腺機能低下症、感染症などによるものは原因をしっかり治療することで毛髪の戻ることが期待できます。一方、特に病気がなく主に遺伝が原因と考えられるのが体質的脱毛で、AGAはこれに相当します。このタイプの脱毛に有効と考えられている治療の一つがミノキシジルという薬を頭皮局所に投与する方法で、血行を改善することにより毛根部への栄養を供給し、毛根細胞を活性化します。日本ではリアップという処方薬ですが、アメリカでは市販薬として入手できます。

 一方、体内の男性ホルモンの働きを抑えることで毛髪を増やすのがフィナステリド(商品名プロペチア)という内服薬です。男性ホルモンにはテストステロンとジヒドロテストステロン(DHT)の2種類があり、前者は5alpha-還元酵素によりDHTに変換します。DHTは胎児期に男子の外性器を発達させる大切なホルモンですが、思春期以降は男性型脱毛症、ニキビ、前立腺肥大などの好ましくない効果をもたらします。AGAではDHTにより毛包のミニチュア化や硬毛の軟化が起きており、フィナステリドは5alpha-還元酵素を阻害することで抜け毛を減らし、AGAの進行を抑えます。一日1回の服用で1年後に58%の男性に頭髪の改善(進行なしを含めると98%)がみられます。フィナステリドは性欲や精子生成、筋肉や骨格の維持に必要なテストステロンには影響が少なく、男性機能障害などの副作用もまれです。皮脂の過剰分泌を起こすDHTを抑えるので、中年以降の脂ぎった感じも少なくなります。

 フィナステリドは現在、男性型脱毛症の最良の治療と思われます。フィナステリドは処方薬ですので、医師の診察が必要です。保険適応外の薬ですが、インターネットで紛い品も多く販売されていますので、正規の薬局で購入することが大切です。

 

 

 

 

 

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