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  放射線被爆の影響を抑える効果:ビタミンC点滴の効能4  
     
 

 私たちは日常生活で知らぬ間に少なくない量の放射線を浴びていることをご存知ですか。例えば、日本からアメリカまで飛行機に乗るとおよそ40マイクロシーベルの放射線を被爆します。宇宙から飛来する放射線の影響を受けやすいからです。胸部X線を1枚撮影する時の被爆量が20マイクロシーベルトですので、1回の飛行機への搭乗で胸部X線2枚分の放射線を浴びているのです。医療用の画像診断でも、マンムグラムでは3ミリシーベルト(胸部X線の150倍)、胃バリウムでは15から25ミリシーベルトも被爆しています。私も日常の診療でできるだけX線検査を避けるように心掛けています。

 放射線の身体への影響は被爆量だけではなく、急性の暴露か慢性か、放射線の種類によっても異なります。共通するのは人の細胞内にて強い酸化作用を持つ活性酸素(ラジカル)を作り、それが細胞膜や遺伝子に傷をつけてしまうことです。正常の細胞にはその傷を修復するしくみがありますが、僅かな被爆量であっても繰り返し浴びるとその修復の過程にも誤りが起きて、突然変異や染色体異常などの細胞の構造や働きに影響を与えてしまうのです。

 最近の学術雑誌でビタミンCの投与が急性の照射線障害に有効であるとの報告がありました。日本のマスコミも広く採り上げました。マウスの致死量である7.5シーベルトの高い放射線を照射した直後に体重1キログラムあたり3グラムのビタミンCを投与したところ、ほとんどのマウスが生存したのです。高い放射線に被爆した際に起こる骨髄損傷などの障害を大量のビタミンC投与が抑えるかもしれないと結論しています。

 もちろん、この結果がそのまま人に当てはまるわけではありません。それでも、サプリメントとしてのせいぜい1日1グラムまでの経口摂取ではなく、美容やアンチエイジングの目的で広く行なわれている超高濃度ビタミンC点滴として十分な量(25グラム)のビタミンCを投与するのであれば、放射線の影響を抑える効果を期待できるかもしれません。私も長時間のフライトの後には必ずビタミンC点滴を受けるようにしています。

 それにしてもこの超高濃度ビタミンC点滴療法。美白やニキビ治療、コラーゲン増加などのアンチエンジング効果はもちろんのこと、ウィルス感染症の予防や治療、抗がん作用やがんの予防ばかりでなく、放射線被爆の影響を軽くするという作用もあるというのですから、その効果の多様さに本当に驚いてしまいますね。

 

 

 

 

 

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