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  このシミ、どうしたらいいの?:炎症性色素沈着のはなし  
     
 

 シミにはいろいろなタイプがあります。その多くのものにはそれぞれ良い治療法があります。例えば、紫外線による老人性色素班やそばかすにはIPLやレーザーが最良の治療ですし、肝班にはトランサミンという薬の内服が効くとされています。その一方で、あまり良い治療法の知られていないシミもあります。その一つが炎症性色素沈着です。

 炎症性色素沈着はその名の通り、何らかの炎症が原因でシミができてしまう状態です。例えば、ケガや火傷の後にできるシミのほか、赤いニキビが治った後に黒ずみが残ってしまうのもこのタイプです。美容医療の施術後にできることもあります。脱毛の後に毛穴に一致してかすかな黒ずみができたり、またレーザースキンアブレーションやフラクセルなどのレーザー治療の後にシミがでてきてくることもあります。

 この炎症性色素沈着のできやすさには個人差があります。また人種により違いがあることも知られています。アジア系、特に日本人では炎症性色素沈着を起こし易いので、レーザー治療などを受ける場合には注意が必要です。例えば、紫外線によるシミ(老人性色素班)に対してレーザー治療をしたとしましょう。治療直後にはキレイになったけれども、数週間たってまた同じ部位にシミが出てくることがあります。老人性色素班が再発した可能性もありますし、またレーザーにより引き起こされた炎症が原因で新たなシミができてしまった炎症性色素沈着の疑いもあります。実際に診察してみなければそのどちらなのかわかりません、

 では、運悪くこの炎症性色素沈着ができてしまったら、どうしたら良いのでしょう。肝班に有効なトランサミンの内服が炎症性色素沈着にも効くという報告もあります。また、ハイドロキノンという美白クリームがその予防に有効なこともあります。でも最良の治療は、実は何もしないことなのです。炎症が十分に収まれば、今度はそのシミを直そうという体内の治癒メカニズムが働きます。炎症性色素沈着であれば、何らの治療をせずとも自然の経過で次第に薄くなってきます。改善に要する期間は身体の部位により異なります。平均すると顔だと半年、身体や上肢で1-2年、下肢では3-4年です。原因となる炎症が落ち着いてから最初の1-2ヶ月で色素沈着が一時的に増強することもありますが、原則的にはいずれ自然治癒するものと考えてよいでしょう。どうしても早くに直したいという方には、当院ではビタミンC点滴をお勧めしています。

 お肌の敏感な日本人の美肌ケア、本当に注意が必要ですよ。不安を覚えたら、ドクターに診てもらうのがいいですね。

 

 

 

 

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